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二者択一では測れない、中毒学とリスク管理 [読書]

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最近読んだ中毒学に関する入門書「からだの中の異物「毒」の科学」が面白かったのでシェアします。

有機化学の基礎から説き起こし、腎臓や肝臓を通じた体内の解毒プロセス、そして不飽和脂肪酸、アルコール、ダイオキシン、放射線など、様々な物質が体に与える影響を丁寧に解説しています。印象的だったのは、ある物質が「含まれているかどうか」ではなく、「どの程度の量で、どの程度の影響が出るか」ということであり、ゼロリスクを求めることは、本書の言葉を借りれば、「科学的に無意味」ということでした。

もっとも、様々な物質が身体に与える影響は分子レベルで確定しているわけではなく、疫学的な相関関係が判明しているに過ぎないものがほとんどです。だから、各種食品や添加物の規制はかなり安全に対して保守的な値が定められるのが通常です。また、確実に影響が出る閾値を下回る場合は、影響が発生する確率が一定程度上昇する、という比較的曖昧なデータしか出すことが出来ないのが現状です。

重要なのは、中毒学など科学を通じてある程度のデータを得たとして、それを評価する人間が、データに対しどのようなスタンスで臨むべきかということだと思いました。奇しくも、福島第一原発事故に伴う放射性物質に対する懸念や、築地市場の豊洲移転に伴う水質の問題など、科学上のデータとそれに臨む人々の姿勢が問われるケースが頻発しています。

ゼロリスクが科学的に無意味であるとするならば、何をどの程度まで許容できると考えるべきか、「〇〇=安全」「△△=危険」と、二者択一に割り切るのではなく、日常の様々な物質の影響などと比べつつ、議論していく必要があると思いました。

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