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痴漢冤罪と準現行犯逮捕 [事件]

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電車内で痴漢を疑われた人が、逃走して線路に立ち入るなどして、さらなる事故に巻き込まれるケースが相次いで報道されています。痴漢は確かに卑劣な犯罪であり、厳格な法の裁きを受けるべきですが、その一方でいわゆる痴漢冤罪の問題もあります。

痴漢で逮捕されると、冤罪であっても嫌疑を晴らすのは著しく困難であり、仕事や家庭生活に深刻な悪影響が生じます。それくらいなら一か八か逃げた方がよいと考えるのも、理解できなくはありません。ただ、逃げる過程で線路に立ち入るなどすれば、事故はもちろん、別の犯罪になったり、電車遅延の民事責任を負う可能性もあります。

性犯罪の摘発と冤罪の回避をどうするか、様々な論点がありますが、個人的には、逮捕、特に準現行犯逮捕の運用見直しが必要ではないかと思います。

手元に統計は無いのですが、満員電車における痴漢での逮捕の場合、現行犯逮捕が多いと思います。しかし、逮捕者が被疑者の犯行を実際に目で見ているケース(いわゆる犯行の現認)は、現実問題としてそれほど多くないのではないでしょうか。にも関わらず現行犯逮捕扱いをされるのは、一定の場合には犯行を目で見ているのと同じ扱いをするという、準現行犯逮捕(刑訴法212条2項)で運用されているからです。

詳しくは条文参照ですが、準現行犯を広く解釈すれば、例えば女性から「痴漢だ!」と名指しされて逃げようとした場合、痴漢を実際にしていなくても、逮捕の要件が満たされる可能性があります。逮捕されれば、その後の勾留も含め最大で23日間留置場に身柄拘束され、家族や職場との連絡も厳しく制限されます。その間の連日の取調べは、相当なストレスになるはずですし、冤罪であるほど、虚偽自白の誘発が懸念されます。

本来、法の裁きである刑罰は、起訴され、裁判を経た、有罪判決の結果であるはずです。しかし日本では、有罪判決のはるか前の段階である逮捕時点で、被疑者に対しあたかも刑罰のような不利益を科していると考えられます。

逮捕はもちろん刑罰ではなく、被疑者の逃亡と証拠隠滅を防ぐための手段に過ぎません。逆に言えば、逃亡や証拠隠滅の恐れが薄い人を逮捕するのは、単なる嫌がらせです。その意味では、明らかに目撃者がいて証言がある際は通常の現行犯として扱うべきですが(それでも逃亡等の恐れが無い場合は逮捕の必要はありません)、そうでない準現行犯の場合は、本人の勤務先や住所がしっかりしていることや以後の警察の事情聴取に応じることを前提に、逮捕をせずに任意事件として扱う運用をすべきだと思います。

任意であれば、警察の聴取を受けたり検察に捜査結果を送致されたりすることを除いては、普段と変わらない日常生活を送ることができますし、弁護士への相談も自由です。もちろん任意事件であっても、起訴され、裁判で有罪判決を受ければ、当然刑罰を受けることになります。

やはり、痴漢犯罪者に適切な刑罰を科しつつ、冤罪や事故を防ぐための一歩として、まず、逮捕の運用を見直すべきだと思います。

≪参考記事≫
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170517-00000051-mai-soci


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