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継続は力なり、か~北朝鮮核開発雑感~ [国際]

北朝鮮が核兵器を保有していることはほぼ確実になった。
これへの対応としては、以下の3つが考えられる。

 1:北朝鮮を核保有国として認めず、核開発を完全に放棄させる
  (1)軍事力の直接行使による場合
  (2)経済制裁を軸とした交渉による場合
  (3)北朝鮮の政権交代による場合

 2:北朝鮮を核保有国として国際的に認める

 3:現状の緊張関係を継続させる

おそらく、このうち最悪なのが3だろう。

北朝鮮は、核兵器とそれを運搬するミサイルの開発を着々と進めるだろうし、そうなれば、
北朝鮮の核の恫喝は、ますます外交的に無視できない結果となる。

とすると、1と2。

1(1)も可能性は無いわけではない。ただ、軍事力を行使するのはアメリカが中心だろうが、
北朝鮮の核兵器とミサイルの性能によっては、アメリカ本土も射程に入る。核兵器の被害を
覚悟してまで、アメリカが軍事力を行使するかは微妙であろう。

もちろん、アメリカと協同で軍事作戦を行うことになる日本や韓国も、核被害の可能性はある。

1(2)は、それができるなら苦労はしないだろう。ただ、イラク戦争などを参考にする限り、
核の脅しが無くなった北朝鮮は、早晩アメリカからの軍事攻撃を受けると考えているはず
であり、核放棄に応じるとは考えがたい。

北朝鮮が中国かロシアの核の傘に入れば別だろうが、中国との関係も悪化しているし、
ロシアが身元を引き受けるにしても、国力から見て、核開発の放棄をさせられるほどの
影響力は発揮できないのではないか。

1(3)は特殊部隊による金正恩暗殺と、暫定的な傀儡政権の樹立が濃厚だろう。
いわゆる、斬首作戦。ただ、北朝鮮に政権を委ねることができる人材がいるかは未知数。
そう考えると、金正恩の粛清や暗殺は、外交的な意味での政権維持のためにも、非常に
効果的だったと気がつく。

残った2は、北朝鮮にとっての外交的な勝利であり、同時に、北朝鮮を巡る関係諸国の
外交的な敗北を意味するだろう。日米韓では世論がもたないだろうし、日韓の核保有の
議論が前進することになりかねず、核の拡散が進みかねない。

ただ、核保有国として認める代わりに、核開発を遅らせたり、それを可視化させることが
できれば、安全保障上は一定の効果があるのかもしれない。

後知恵だが、北朝鮮の核開発は、おそらく、自身の地政学的な特徴を踏まえた上で、
米中の狭間で生きざるを得ない北朝鮮の、まさしく長期的な国家戦略だったのだろう。

それを、単なる軍事的冒険や、周辺の軍事環境の変化に伴うこけおどしとみなしてきた、
周辺諸国のインテリジェンスの節穴が露になった結果が今日だと思う。まさに、継続は
力なりと言えそうだ。

ともあれ、上記1~3のどれかを使い分けて付き合っていくしかない、隣国北朝鮮。

日本としては、どの様なリスクが、どの程度なら許容できるのか、専門家や国民が
もっと真面目に議論しなければならないと痛感した次第なのです。

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韓国の原発事故でも被災するのは日本?国内の原発議論を超えて [国際]

韓国における原発密集地で事故が起きた場合、西日本の多くの地域が避難対象になりうるという研究結果が公表され、日本でも報じられました。

韓国や中国が原子力発電を稼動させている現状、原発事故から日本の国土や生活を守るためには、日本における原発の是非の議論だけでは不十分であることは明らかです。近隣諸国の電力事情に介入できない以上、事故対応やテロ対策なども含め、国際的な情報共有と技術の向上が必要不可欠でしょう。

日本国内では、原発の再稼動の是非が政治的な問題になっており、それはそれで必要な議論ではあります。ただ、原発を稼動しようが廃炉にしようが、どちらの技術も未熟であるのが現状です。性急過ぎる再稼動は論外ですが、原発を稼動させなくても核燃料の危険はそのままであり、脱原発にしても、廃炉までの実際の目処は立っていません。

重要なのは、人間が世に生み出し、かつすでに稼動してしまっている原子力発電という存在を、廃炉まで含めて適切にコントロールすることです。そのためには、再稼動か脱原発かの観念的な二者択一にとらわれず、技術水準や運営体制への知見を高めていくことが必要なのだと思います。

【参考記事】
http://www.asahi.com/articles/ASK36451LK36PLZU002.html
タグ:韓国 原発

日韓合意は外交カード足りうるか?韓国の少女像設置について [国際]

いわゆる慰安婦問題を象徴する少女像とその撤去について、新年早々、日韓関係が揺れています。

2015年末の日韓合意では、日本側が慰安婦支援の財団へ資金を拠出するとともに、韓国側が少女像の撤去に向け適切な解決について努力することが合意されました。ところが、日本側が資金を拠出したにも関わらず、韓国ではソウル日本大使館前の少女像が撤去されず、かえって韓国の市民団体が釜山に新たな少女像を設置。これに対し日本では、大使の召還や通貨スワップ交渉の停止などの対抗措置を取りました。

慰安婦への人道的対応とは別に、韓国政府に政府間の合意を誠実に履行する姿勢が見えない以上、対抗措置は日本政府として当然です。ただ、韓国内の世論や、表現の自由などを鑑みると、少女像の完全撤去を韓国政府が行うことは、ほぼ不可能ではないかと思います。その意味では、今回の日本政府の対応は、少女像の撤去自体が目的というより、日韓合意を韓国に対する外交カードとすることを、明確に示すためのものと考えられます。

従来慰安婦問題に関して比較的受け身にならざるを得なかった日本にすれば、これは大きなアドバンテージといえるでしょう。日本としては、単に韓国の少女像への対応を批判するだけでなく、日韓合意に基づくこの「少女像カード」がどの程度まで使えるのか、国際社会の反応も踏まえて推し量っていく必要があろうかと思います。

【参考記事】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170106-00010007-houdouk-kr

期待はずれか重要な一歩か。プーチン大統領訪日の雑感 [国際]

プーチン大統領訪日に伴う日露首脳会談。その主な成果は、北方4島における、特別な制度による共同経済活動に関する合意でした。クリミア問題などで国際的に孤立しつつあり、国内経済も低調なロシアにとって、日本との外交関係改善は大きな成果だったと思います。一方、北方領土返還への前進を期待した日本の世論にとっては、正直、期待外れな結果だったと言えるでしょう。

かつて、ソ連崩壊直後のエリツィン大統領時代には、北方領土を日本に返還することで、ソ連時代や東西冷戦からの脱却をアピールすると言う大義名分がありました。しかし、国家主義・権威主義的な政策で国内の混乱を収拾させたプーチン政権では、日本に領土を渡す大義名分やメリットは存在しません。また、クリミア併合の余韻が残る現状では、ロシアによる領土問題への譲歩は考えにくいはずです。さらに、今回の会談で、仮に北方領土が日本に返還された場合、当該地域への米軍の影響力増加にロシアが懸念を持っている事が、明確になりました。

これらを考慮すると、やはり、今回の日露首脳会談で領土問題、ひいては平和条約締結への明らかな進展を期待するのは、無理筋だったと言えそうです。

日本としては、中国や北朝鮮といった安全保障上の脅威がある中、ロシアとの関係改善をアピールできたことは悪いことではありません。また、「特別な制度」について、ロシア側は「ロシアの法に基づく」と主張していますが、日本との合意に基づく制度である以上、日本の意向を全く無視した制度にすることはできないはずです。北方領土返還、ひいては平和条約締結に向け、まずは北方領土における日本の友好的なプレゼンスを増していくことが求められます。今回の合意はその一里塚であり、それ以上でもそれ以下でも無いというところでしょう。

【参考記事】
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/nnn?a=20161216-00000068-nnn-pol

トランプ氏が次期大統領に!アメリカ大統領選雑感~分断と再統合~ [国際]

日本時間の11月9日に大勢が判明したアメリカの大統領選挙。クリントン氏が優位だった下馬評を覆し、トランプ氏が次期大統領の座を射止めました。

選挙の結果自体はそれなりの盛り上がりを見せましたが、選挙戦や候補者同士の論争自体は、必ずしも活発だったとは言い難い印象です。具体的な政策論争とは思えないエキセントリックな発言と、健康問題、年齢、個人スキャンダルに終始し、曲がりなりにも国際社会で最大のプレーヤーである米国の最高権力者の選挙としては、魅力を欠くものに映りました。

アメリカ国民としても、良い人を選ぶのではなく、どちらがよりマシか、という視点での選択だったと思います。

その大きな理由としては、やはり候補者が魅力を欠いた点にあると言えるでしょう。ホワイトハウスの中枢を良く知る、経験豊富なプロであるクリントン氏は、すでに有権者から飽きられ、加えてスキャンダルを抱えました。エキセントリックな発言で注目を集めた素人トランプ氏は、選挙戦における議論の中で発言の度重なる軌道修正を余儀なくされ、その年齢もあいまって、新鮮さを失っていきました。

今回、なぜアメリカは魅力的なリーダー候補を出すことができなかったのか。個人的な仮説としては、リーダーの支持層が、国全体の代表を生み出す母体として弱体化したからではないかと考えています。

双方の主な支持層を考えると、

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