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韓国の原発事故でも被災するのは日本?国内の原発議論を超えて [国際]

韓国における原発密集地で事故が起きた場合、西日本の多くの地域が避難対象になりうるという研究結果が公表され、日本でも報じられました。

韓国や中国が原子力発電を稼動させている現状、原発事故から日本の国土や生活を守るためには、日本における原発の是非の議論だけでは不十分であることは明らかです。近隣諸国の電力事情に介入できない以上、事故対応やテロ対策なども含め、国際的な情報共有と技術の向上が必要不可欠でしょう。

日本国内では、原発の再稼動の是非が政治的な問題になっており、それはそれで必要な議論ではあります。ただ、原発を稼動しようが廃炉にしようが、どちらの技術も未熟であるのが現状です。性急過ぎる再稼動は論外ですが、原発を稼動させなくても核燃料の危険はそのままであり、脱原発にしても、廃炉までの実際の目処は立っていません。

重要なのは、人間が世に生み出し、かつすでに稼動してしまっている原子力発電という存在を、廃炉まで含めて適切にコントロールすることです。そのためには、再稼動か脱原発かの観念的な二者択一にとらわれず、技術水準や運営体制への知見を高めていくことが必要なのだと思います。

【参考記事】
http://www.asahi.com/articles/ASK36451LK36PLZU002.html
タグ:韓国 原発

日韓合意は外交カード足りうるか?韓国の少女像設置について [国際]

いわゆる慰安婦問題を象徴する少女像とその撤去について、新年早々、日韓関係が揺れています。

2015年末の日韓合意では、日本側が慰安婦支援の財団へ資金を拠出するとともに、韓国側が少女像の撤去に向け適切な解決について努力することが合意されました。ところが、日本側が資金を拠出したにも関わらず、韓国ではソウル日本大使館前の少女像が撤去されず、かえって韓国の市民団体が釜山に新たな少女像を設置。これに対し日本では、大使の召還や通貨スワップ交渉の停止などの対抗措置を取りました。

慰安婦への人道的対応とは別に、韓国政府に政府間の合意を誠実に履行する姿勢が見えない以上、対抗措置は日本政府として当然です。ただ、韓国内の世論や、表現の自由などを鑑みると、少女像の完全撤去を韓国政府が行うことは、ほぼ不可能ではないかと思います。その意味では、今回の日本政府の対応は、少女像の撤去自体が目的というより、日韓合意を韓国に対する外交カードとすることを、明確に示すためのものと考えられます。

従来慰安婦問題に関して比較的受け身にならざるを得なかった日本にすれば、これは大きなアドバンテージといえるでしょう。日本としては、単に韓国の少女像への対応を批判するだけでなく、日韓合意に基づくこの「少女像カード」がどの程度まで使えるのか、国際社会の反応も踏まえて推し量っていく必要があろうかと思います。

【参考記事】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170106-00010007-houdouk-kr

期待はずれか重要な一歩か。プーチン大統領訪日の雑感 [国際]

プーチン大統領訪日に伴う日露首脳会談。その主な成果は、北方4島における、特別な制度による共同経済活動に関する合意でした。クリミア問題などで国際的に孤立しつつあり、国内経済も低調なロシアにとって、日本との外交関係改善は大きな成果だったと思います。一方、北方領土返還への前進を期待した日本の世論にとっては、正直、期待外れな結果だったと言えるでしょう。

かつて、ソ連崩壊直後のエリツィン大統領時代には、北方領土を日本に返還することで、ソ連時代や東西冷戦からの脱却をアピールすると言う大義名分がありました。しかし、国家主義・権威主義的な政策で国内の混乱を収拾させたプーチン政権では、日本に領土を渡す大義名分やメリットは存在しません。また、クリミア併合の余韻が残る現状では、ロシアによる領土問題への譲歩は考えにくいはずです。さらに、今回の会談で、仮に北方領土が日本に返還された場合、当該地域への米軍の影響力増加にロシアが懸念を持っている事が、明確になりました。

これらを考慮すると、やはり、今回の日露首脳会談で領土問題、ひいては平和条約締結への明らかな進展を期待するのは、無理筋だったと言えそうです。

日本としては、中国や北朝鮮といった安全保障上の脅威がある中、ロシアとの関係改善をアピールできたことは悪いことではありません。また、「特別な制度」について、ロシア側は「ロシアの法に基づく」と主張していますが、日本との合意に基づく制度である以上、日本の意向を全く無視した制度にすることはできないはずです。北方領土返還、ひいては平和条約締結に向け、まずは北方領土における日本の友好的なプレゼンスを増していくことが求められます。今回の合意はその一里塚であり、それ以上でもそれ以下でも無いというところでしょう。

【参考記事】
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/nnn?a=20161216-00000068-nnn-pol

トランプ氏が次期大統領に!アメリカ大統領選雑感~分断と再統合~ [国際]

日本時間の11月9日に大勢が判明したアメリカの大統領選挙。クリントン氏が優位だった下馬評を覆し、トランプ氏が次期大統領の座を射止めました。

選挙の結果自体はそれなりの盛り上がりを見せましたが、選挙戦や候補者同士の論争自体は、必ずしも活発だったとは言い難い印象です。具体的な政策論争とは思えないエキセントリックな発言と、健康問題、年齢、個人スキャンダルに終始し、曲がりなりにも国際社会で最大のプレーヤーである米国の最高権力者の選挙としては、魅力を欠くものに映りました。

アメリカ国民としても、良い人を選ぶのではなく、どちらがよりマシか、という視点での選択だったと思います。

その大きな理由としては、やはり候補者が魅力を欠いた点にあると言えるでしょう。ホワイトハウスの中枢を良く知る、経験豊富なプロであるクリントン氏は、すでに有権者から飽きられ、加えてスキャンダルを抱えました。エキセントリックな発言で注目を集めた素人トランプ氏は、選挙戦における議論の中で発言の度重なる軌道修正を余儀なくされ、その年齢もあいまって、新鮮さを失っていきました。

今回、なぜアメリカは魅力的なリーダー候補を出すことができなかったのか。個人的な仮説としては、リーダーの支持層が、国全体の代表を生み出す母体として弱体化したからではないかと考えています。

双方の主な支持層を考えると、

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海保のグッジョブ!尖閣諸島海域での中国漁船救助について [国際]

11日、尖閣諸島沖で発生した中国漁船の衝突事故に対し、日本の海上保安庁が速やかに中国漁民を救出したことが、中国でも話題になっているようです。

その論調の多くは、日本政府を評価し、中国政府を批判するもの。周知のとおり中国は、尖閣諸島周辺の領有権を主張し、周辺海域へ艦船派遣などの軍事的威嚇を続けていますが、その一方で、今回は自国民の救出に動きませんでした。これが、人道的な観点からも、国家主権の観点からも、あり得ないとして批判されています。中国政府は、結局、日本政府に感謝の意を表せざるを得なくなりました。

日本の海上保安庁のまさにグッジョブと言えるでしょう。

とはいえ、中国政府の言動を見る限り、尖閣諸島での緊張が止む気配はありません。中国は漁船の大量動員に加え政府船舶も派遣しており、現地で対応する職員の方々のストレスは、察するに余りあります。ストレスによるミスや判断力の低下した行動を防ぐために、休養や気分転換など、現地の体制面での充実を、引き続き望みたいところです。

実際、ストレスや、国内世論の動向次第では、海保職員による中国漁船衝突映像の流出のように、組織でコントロールできないイレギュラーな事態が起こり得ると思います(情報公開は評価できるとしても、組織の統制に反したという意味では、評価できる行動ではありません)。もし何らかの暴力を伴う事態となれば、そこから双方の軍事衝突に陥る懸念は、否定できません。

尖閣諸島における中国の挑発が報じられるたびに、政府の弱腰を批判し、軍事力行使を含む中国への強硬姿勢を主張することが、喝采を浴びがちです。しかし、軍事衝突が起こった際に危険に陥るのは、報道機関や東京で暮らす人々ではなく、第一線の方々であることを忘れてはいけないはずです。今回の海保の行動のように、施政権の適切な行使を通じて国内外に中国の不当性を知らしめる、地道な活動も求められていると思います。

【参考記事】
http://m.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/08/post-5654_1.php