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自分の正しさに法的な「権利」はあるか?不倫などもろもろについて [その他]

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不倫、覚せい剤使用、経歴詐称など今年も日々著名人のスキャンダルが世間を賑わせています。確かに、それらの行為は道徳的にほめられたものでは無く、薬物に至っては刑事事件ですらあり、世の中のモラルの乱れに悲憤慷慨する方も少なくないと思います。

そんなとき、「権利」という概念をうまく使うと、ちょっと頭を冷やすのに役立つのではないでしょうか。

民法では、故意または過失で他人の権利を侵害した人が、損害賠償責任を負うことを定めています(これを不法行為といいます)。したがって、自分の権利が侵害されたときには責任追及ができるとともに、場合によっては、仮処分などで法律上一時的に権利を保護することも認められます。不法行為の損害には精神的損害も認められるので、その賠償請求も可能となります(これがいわゆる慰謝料です)。

では、スキャンダルを起こした著名人は、誰にどのような責任を負うのでしょうか。不倫を例にとれば、配偶者をはじめとした家族に対する法的責任はあるでしょう。また、仕事では、契約内容に応じ、不法行為ではなく、契約上の責任が発生する可能性もあります。

では、断罪の怒りに震える我々その他大勢の人に対して、スキャンダルを起こした著名人にはどのような法的責任が発生しうるでしょう。まず、彼と私の間には契約を締結していないので、直接の契約上の責任は発生しません。となると不法行為です。

彼は、異性と不倫を行う上で、私の心をわざと傷つけよう、ないしは傷つけるだろうと認識できたでしょうか。面識が無い他人を傷つけるか否かなど、認識できるわけないですね。つまり、故意や過失があるとは言えません。これでは、たとえ私が彼の不倫にどんなに心を痛めても、不法行為は成立しないでしょう。そもそも、私の心の痛みが損害と認められるのかも、難しいはずです。

結局、著名人のスキャンダルに倫理上の正しさから怒りを覚えるのは自由ですが、それは多くの場合、法的保護に値する「権利」ではないと考えた方がよさそうです。もし仮に、影響力あるメディアで彼を批判した場合、そのことによって彼の「権利」を害したことが認められれば、今度はこちらが不法行為責任を負いかねません。倫理的に自分が正しい、というだけでは、正当防衛は成立しないでしょう。

ジャーナリズムやSNSの影響で、自分の正しさが多くの共感を持つと錯覚しがちです。しかしそれは文字通り錯覚であり、多くの共感も砂上の楼閣に過ぎません。誰が、自分の何の「権利」を、どうやって、どの程度侵害したのか、しないのか。怒りや失望渦巻く現代社会、「権利」を軸に頭を冷やすことも重要だと思います。自戒を込めて。



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