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臓物を食らう、亀戸 [食べ物系]

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ゴールデンウィークごろ、スカイツリーを背景に見る亀戸天神の藤の花もよいし、着席と同時に一皿登場しビールと交互に食い流し込む亀戸餃子もよい。たまには少し贅沢に、升本のあさり鍋の定食もなかなかに滋味深いものである。駅の反対側にも、よさげな飲み屋が手招きをしてくるかのよう。

そんな亀戸、しかし、個人的な推しはホルモン屋だ。

何件かあるホルモン屋のうち、好きなのは、『ホルモン青木』と『亀戸ホルモン』の2件。まあ、どちらも有名店だし、今更であるが、好きなのはしょうがない。いずれの店でも、ホルモン、すなわち獣の臓物の類を、ひたすらに七輪で焼いて食らうのである。

先日、数か月ぶりに知人から会おうかと誘いがあった。ならばしばらくご無沙汰していたことを思い出し、せっかくだから亀戸でホルモンでも食おうという段取りに。青木か亀戸ホルモンか、どちらも美味い記憶しかないので、入れそうであればどちらでも構わない。その日は、青木の方が若干行列が長かったので、亀戸ホルモンの行列に並ぶことにする。

そう、結構並ぶのである。亀戸ホルモンは事前予約を受け付けてない代わりに、遅すぎない時間で並べば、いつかは必ず入れる。並ぶのはあまり好きではないのだが、まあ、ディズニーにでも来たつもりで我慢する。知人とだらだらと四方山話をしながら、心中、ホルモンへの期待値を高めていく。

待つこと小一時間。

カウンターの席に通され、目の前の七輪に火が点る。まずはビールとホッピーセットで乾杯。混んでいるので食べ物の追加オーダーが難しいとのこと、幸い我々食が細い方ではないので、いろいろ頼む。ハツ、レバー、マルチヨウ、トロミノ、ホルモン、ミックスホルモン、煮込み、もやしナムル、キャベツ。

まずは高速で出てきたナムルとキャベツと煮込み。煮込みが存外に美味い。お互い2杯目を注文したあたりで、ようやくホルモン陣が運ばれてくる。赤黒い一口大の肉の欠片たち。待ってました。

あとは、ひたすら七輪で肉を焼いて口に放り込むのみ。

ハツは分厚くて食べ応えがあるのにサクサクしていて臭みも無く、レバーは高いレベルで芳醇な甘みとコクを放出し、マルチヨウの滴る脂が炭に当たって弾ける音と香りは例えようも無いほどで、トロミノはその名のとおり柔らかく旨味たっぷりで、何が入ってるかよくわからんミックスホルモンの味噌だれが軽く焦げた味は蠱惑的だ。

焼いた臓物を噛んで飲み込み、脂でギロギロとした唇や食道をビールやホッピーやサワーで洗うのは、ある意味獣としての官能的な快楽である。よい。

ふと周りを見れば、諸人臓物を焼き酒を飲み、語り、臓物を焼く煙は店内に立ち込め、店員はただただせわしなく臓物と飲み物を運び皿を下げていく。

そんな中、ふと思い出したのが、何年も前に読んだ『日本三文オペラ』(開高健)、屑鉄をたたき売って暮らすアパッチ族どもが牛の臓物を七輪で焼いて食らっているシーン。そして、牛鍋屋の喧騒を詠った詩、『米久の晩餐』(高村高太郎)。詩の言葉をいささか拝借するならば、「六月の夜は今亀戸にじゅうじゅうと焦げ立つ」のである。

脂と煙の陶酔の中に、酒が進み、会話が弾み、亀戸の夜は更けていく。

≪ホルモン青木≫
https://tabelog.com/tokyo/A1312/A131202/13059962/

≪亀戸ホルモン≫
https://tabelog.com/tokyo/A1312/A131202/13008099/


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