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【本人学習用】日本の失望、韓国の誤算。日韓関係について [国際]

不勉強を承知で日韓関係についてざっくりだらだら書いてみる。

要約すれば、1980年代後半から90年代にかけて形成された日韓関係のルールを日本は変えようとしているし、韓国にそれを止めることはできない。そして、日韓関係の新たなルールを、それこそ日韓双方で作っていかなければならない時代になっていると思う。そのために大切なのは、日本とどういう関係を結びたいのか、日韓ともに、そして特に韓国がはっきりと意思表示することなのではなかろうか。

そんな話である。

思えば、1988年のソウルオリンピックは、いわゆる漢江の奇跡を通じた韓国の経済的・国際的地位の向上を象徴するものだった。一方で、日本では1989年のバブル崩壊以降、政治は不安定となり、落ち込むばかりの経済へ有効な手が打てず苦悶していた。1965年の日韓基本条約以降、円借款を提供し韓国経済の活性化を助けてきた日本と韓国との、いわば西側陣営における援助者と被援助者という関係が大きく変わろうとしていたのである。

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香港大規模デモ、統治者と被統治者のコミュニケーションの価値 [国際]

いわゆる「逃亡犯条例」の改正を巡って起こった香港のデモは、参加者約200万人という、香港史上最大にして世界的にも稀有な規模にまで達した。

問題となった改正条例案の要点は、香港から中国共産党政権への犯罪者引き渡しを可能にすること。英国系のコモン・ローを採用した法体系を持つ香港において、本来、コモン・ローを共有しない地域への犯罪者引き渡しは否定されており、特に中国共産党政権への引き渡しについては明文で否定されていた。

実際、中国の刑事司法制度に対する香港の、そして国際的な信頼は決して高くない。香港人からしたら、中国の不透明な刑事司法で裁かれる危険が増すことに、素直に恐怖を覚えただろう。

幸いなことに、デモの結果、林鄭月娥・香港特別行政区行政長官が改正条例の審議の延期を表明したが、改正そのものが撤回されたわけではなく、依然予断を許さない状態ではある。

一連の条例改正の流れやデモの動きをざっと見て考えさせられたのは、自由な選挙であったり、政治への報道や批判の自由であったり、つまり、統治者と被統治者とのコミュニケーションの存在の必要性である。言い換えれば、いわゆる近代の自由主義・民主主義の価値と言ってもいいかもしれない。

自由な選挙や自由な政治批判は、統治者から見れば、確かに煩わしいものであるかもしれない。しかし、その一方で、民意を測り、政策の軌道修正を行う契機、すなわちコミュニケーションの指標となるはずだ。それは、天安門事件のような多数の死者を出した悲劇や、多くの人を巻き込む経済的混乱を含む大規模デモや、外国からの人道上の批判や介入に至る前に、被統治者とのコミュニケーションを通じて問題を解決する可能性を開く。

今回香港でかくも大きなデモとなったのは、統治者と被統治者のコミュニケーションのチャンネルが存在しなかったというのが大きいだろう。しかし、コミュニケーション崩壊による悲劇は、中国本土での方が、より大きな影響を与えうる。民衆を軍事力で武力弾圧し、多数の死者を出した89年の天安門事件は、未だに中国共産党政権の汚点であり、共産党政権が改革されない限り、今後もそのようなリスクは大いにあるだろう。

香港に対する、中国共産党政権の影響力は益々高まっているらしい。今回のような大規模デモがもし避けるべきものであるとするならば、その方法は、公権力による監視や統制を強めることではなく、より報道や批判、そしてより小規模なデモを行う自由を保障することがさらに大切なはずだ。

香港のデモを見るにつれ、願わくは、香港を一党独裁の共産党政権で塗りつぶすのではなく、中国本土と比べて相対的には自由かつ民主的な政権運営の経験を通じ、今回のデモが中国本土の体制改革のきっかけに繋がることを心から祈りたい。

そして、曲がりなりにも自由な選挙があり、自由な政治報道や意見表明ができる日本の環境と、立場は様々であろうけどそれを守っている多くの人々に、改めて敬意と感謝を表したいと思った次第である。

<参考記事>
https://blogos.com/article/384590/


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プーチン後はいかに?近未来ロシアに関する床屋政談 [国際]

■ロシア経済、国家主導に限界 1~3月GDP0.5%増(日本経済新聞)

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO44998470Z10C19A5FF8000/

ロシア経済に停滞が続いているそうだ。

確かに、かつて2000年代にはBRICsの一角と呼ばれ、原油価格の高騰を背景に経済大国への道を進むのではないかと言われた姿は、今のロシアからは窺うことが出来ない。そして、経済運営の失敗は、2018年に80%近い得票率(苦笑)で圧勝したプーチン大統領にとって、アキレス腱になりかねないのではないかと、個人的には懸念しているのである。

そんなわけで、プーチン政権の末期とその後といういわば近未来ロシアについて、素人が知りうる範囲でだらだらと考えてみたくなったので、素人なりにまとめてみることにした。

さて、少なくとも、民主制を標榜する政治において、もしくは政治全般においてと言っても過言ではないかもしれないが、構成員を食わせること、すなわち経済はトップイシューだ。中国共産党政権が曲がりなりにも一党独裁でやっていけるのは経済を成長させたからであり、「明るい北朝鮮」と揶揄されながらもシンガポールにおいてリー・クアン・ユーが指導者であり続けられたのも経済成長のおかげだ。湾岸戦争の勝利で絶大な支持を得たはずのブッシュ大統領(父)が大統領選で敗れた相手は「It's Economy,Stupid!」をスローガンにしたビル・クリントンである。

さてロシアはどうか。

冒頭のニュースのように、ロシア経済は停滞が続いている。要因としては、記事にもあるように国家主導型の経済の限界であり、資源依存型の経済の限界であり、加えて、クリミア併合およびウクライナ対応を原因とした経済制裁である。

これを打開するには、インフラへの投資、新規産業を生むための規制緩和、外国などからの資本の導入が必要であろう。しかし、国家主導の経済では規制緩和は困難だろうし、経済制裁を受けている中で外資の導入を積極的に進めることはできない。現在のところ、ロシアがウクライナへの介入を停止する気配は全く見られない以上、経済制裁は続くだろう。また、報道等で見る限り、インフラへの投資も活発とは言えないようだ。

この状況からは、プーチン大統領は、情報将校としてのバックグラウンドからか、経済に関してはあまり知見を持っていないし、知見を持った人々を周囲に置いていないのではないかと疑わしくなってしまう。少なくとも、原油価格が高く経済が好調でBRICsと持てはやされた時代に、将来のリスクに備えて、インフラ投資や産業構造の転換に備えた新産業の創出への投資をしておくべきだったのに、完全に出遅れてしまった感がある。

もちろん、ソ連崩壊からロシア連邦への移行において、エリツィンから引き継いだ混乱した国家をどうにかこうにか纏め上げた手腕は見事であるし、精力的な執務姿勢も素晴らしい。ただ、現代国家の首脳として経済に必ずしも強くないのは、そしてその欠落を補う措置を取らないのは、大きな欠点だと思う。

プーチン政権が手をこまねいて経済に悪影響が出れば、当然政権の支持率は下がる。支持率が下がれば、選挙で議会の多数派を握ることはできないことから、政権は選挙干渉を行うことになる。選挙干渉を行ったとしても、国民の不平の原因である経済の改善は望めないことから、不満は溜まる。不満が溜まれば支持率は下がっていくだろう。今のロシアはこうした悪循環の中にいるのではないかと思われる。

さらに、『プーチンの実像』(朝日新聞出版)等によると、プーチン政権において、プーチン大統領個人への権限集中に拍車がかかっており、そのことも、この傾向を推し進めているのではなかろうか。確かに、支持率低下の中で自分の求心力を高めるために権限を集中させたいと言う気持ちは分かるが、プーチン大統領が経済政策に強くないのだとしたら、経済の停滞は進むし、支持率低下にも歯止めがかからず、さらなる選挙干渉と支持率低下に苦しむことになるだろう。

権限集中を進めるプーチン政権において最大のリスクは、権力継承のためのルールが存在せず、プーチン以後のロシアの姿が全く見えないことである。

例えば、日本では政権与党の有力政治家が次の総理大臣になるだろう。一党独裁で政治が不透明と言われる中国でも、共産党内の序列はそれなりに判明しており、全くの抜擢人事はありえない。アメリカも、大統領選の候補者たちは早くから報道に晒されている。ロシアはどうか。

現在においては、完全にプーチンの胸三寸であり、しかも求心力を失わないために、最後の最後まで後継指名はしないだろう。これでは、基本的にロマノフ家の血縁者からツァーリを輩出したロマノフ王朝よりも透明性が無いではないか。

加齢による衰えや、高度な緊張を伴う生活が続くストレスは、いかに超人的な体力・精神力を誇ろうと、プーチンを蝕むはずである。プーチンが権限を委譲し、プーチン個人に依存しない政治や行政組織を作るのでなければ、権限を集約させたプーチンの判断ミスは、ロシア国内外に大きな悪影響をもたらすだろう。

プーチンの任期は2024年。健康状態にもよるが、終身大統領を目指したとしてもおかしくない。それとともに、衰えによる判断力の低下やミスのリスクは上昇する。また、プーチン個人の権限が強く、制度が事実上崩壊している以上、プーチンの指導力が衰えている場合には、次の政権が決まるまでには、ソ連崩壊とまでは行かなくても、相当の混乱が予想される。

日本としては、プーチン政権の末期のリスク向上と次期政権が決まるまでの間の混乱を予期しておくべきであるとともに、ポストプーチンを見据え、プーチンとの親疎に関わらず、将来の有力者候補と幅広く接触し、リスクヘッジをしておくべきだろう。それと同時に、その時期のロシアの混乱が北東アジアの安全保障に与える影響について、シミュレーションしておかなければならないと思う。

そんな、ある春の夜の床屋政談。



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韓国の甘えをいかに断ち切るか~日韓関係雑感~ [国際]

1:現状のおさらい

慰安婦問題をどうにかこうにか日韓で合意したかと思えば韓国による合意違反の財団解散、徴用工判決問題、レーダー照射問題と、双方の意見が食い違う問題が相次ぎ、落としどころは見えず、日韓の政府間関係は悪化の一途を辿っているように見える。

日本の立場からすれば、例えば、徴用工判決問題は日韓基本条約で日韓間では解決済みだし、レーダー照射問題は韓国の実務レベルが「ごめん、ミスでやっちゃった!もうしないから」と自衛隊に伝えてくれさえすればよく、いずれも政治的な問題にはなりえないはずのものだった。

それが、徴用工では韓国内日本企業の資産差押えを容認する司法判断を無視し、レーダー照射では日本が提示した証拠を一顧だにせず、むしろ日本が低空威嚇飛行をしたと別の事実を主張。このような韓国政府の姿勢は、一日本人として、理解に苦しむ。

2:日韓関係悪化の末のシナリオは?

そもそも、日本との関係悪化を突き進む韓国の姿勢は、どのような結論に至るのだろうか。素人なりには、中長期的に見た、一つの極端な可能性として、北朝鮮主導の半島統一と、韓国の消滅すらありうるのではないかとすら考えられる。

おそらく、韓国は、日本と領土問題を抱える中国、ロシアと共闘し、日本包囲網を築こうとするだろうが、両国が日本憎しだけで韓国と共闘してくれるとは考えにくい。

国力の関係(韓国のGDPは日本の5分の1。人口でも半分弱)や、米国との関係、そして中国と北朝鮮の同盟を考えると、ほどほどに日本に外交的ダメージを与えたら、中露は韓国の梯子を外しにかかるに違いない。

そして、日韓の関係悪化で困惑するだろう米国は、日韓関係に介入することをできるだけ避けたがるはずだ。また、米国が北朝鮮に並んでリスクが高い地域と考えているのが台湾だ。仮に、在日米軍と在韓米軍のどちらかを完全撤退するなら、在韓米軍を完全に撤退させるだろう。それはすなわち、米韓同盟の崩壊を意味する。

なぜなら、陸軍主体の米韓同盟によって台湾を中国から守ることはできないが、日米同盟なら、日本に展開している米太平洋艦隊で、中国を牽制できるからだ。

このように、日韓関係が悪化の一途を辿れば、韓国が日本のみならず、米中露からも見放されることになる。そこで起こるシナリオは、北朝鮮主導の、半島統一に向けた動きである。そして、北朝鮮主導の半島統一は、米国の影響が強い韓国によるものよりも、中露が受け入れやすく実現に近いだろう。

北朝鮮主導の半島統一、それは、韓国という国家の消滅を意味する。

そこまでいかなくても、日本との外交・防衛上の関係が悪化すれば、韓国はまず、国際的に孤立する危険が高まるのではないか。また、日本を仮想敵国とすれば、日本海の制空権・制海権を守るコストは、韓国経済にとってかなりの負担となるだろう。

このように、日本を通じて米国と提携し、日米韓の協調による安全保障環境を作ることが、韓国の存続にとって最善手だと考えられるのだが、韓国はその逆張りに余念が無い。

いったいなぜか?

3:韓国の甘え、日本の甘やかしの構造

韓国の外交姿勢の大きな問題は、当事者意識の欠如であり、日本に対する絶望的な甘えである。実際、韓国の対日外交を振り返ると、韓国政府のお客様意識、つまり当事者意識の無さを痛感する。

例えば慰安婦問題。今でも日本政府が踏襲をしている93年の河野談話につき、その作成過程が検証されたことにより、内容がかなりの部分韓国政府と擦り合わせられたものであることが判明した。つまり、河野談話は日韓合作だ。日本政府としては、韓国と合意した文書であり、これで慰安婦問題は一区切りと思ったはずだ。

しかし、河野談話発表以降も、韓国政府は慰安婦問題に関する日本政府への批判を止めず、最終的かつ不可逆的な解決には、2015年の慰安婦合意を締結しなければならなかった。しかし、この慰安婦合意に対しても、財団の解散等、合意違反と見られる活動に精を出している。

そこに見られるのは、韓国政府において、自らの外交の結果につき国内に責任を負う姿勢がまるで見られないことと、その責任および善後策の検討を日本政府に押し付けることが常態化しているのではないかという懸念である。

要は「悪いのは全て日本、だから問題があっても韓国は何も考えないので、日本のほうでこちらが納得する案を出せ」というよう姿勢である。もう一つ加えれば、「なんでもいいから日本を叩いて置けば、落としどころとか何とか言って日本の方から何か案を出してくるはずだから、それを見て検討しよう。ダメなら受け入れられる案が出るまで批判しよう」という甘えである。

レーダー照射問題についてもまさしくそうであることは、昨今の報道を見ても明らかだろう。

さらに言えば、これまで日本外交は、韓国のこの甘えに対し、真正面から対応をしてこなかった。甘えてくれば何らかのアメをあげることで、事態の沈静化を図ってきたのではないか。韓国政府の甘えをいかに矯正していくかが、日韓関係のカギになるはずだ。

4:じゃあ、日本はどうすべきか

個人的には、北朝鮮主導の半島統一は望ましくないと考えるし、そのためには、米国はもちろん、韓国とも連携しなければならないと考える。そのためには、これまでの甘えと甘やかしの日韓関係から、お互いが知恵を絞る日韓関係に変えなければならないだろう。

もちろん、かつての日中戦争の暴支膺懲のように、日本が韓国を懲らしめるような考え方では、うまくいくものもうまく行かない。いかに、韓国自身にお互いが合意できる可能性のある案や知恵を出してもらうか、という観点で進めるべきだ。

その意味では、このたびのレーダー照射問題は、実はよいきっかけになると考えているし、これまでのところ日本政府の対応も悪くない。

韓国側の説明が二転三転する中、日本側は淡々と事実と証拠を提示し、政治的な対応を大きくエスカレートさせる様子も見られない。このまま、韓国の荒唐無稽な意見に対し、一つ一つ事実と証拠で反論していくことで、韓国側の甘えを封じて行くことが大切だ。

確かに、あちこちに虚実織り交ぜた論点を飛ばしていく韓国政府に対し、もぐらたたきのように反論を続けるのは、疲れるだろうし、日本人としてもイライラさせられるに違いない。

しかし、ここで例えば渡航制限のような大きな外交措置を取れば、日韓関係は崩壊する。それは、韓国のためにも、日本のためにもならないだろう。一方で、ここでいわゆる落としどころを探るかのような、事実を曲げるような手を日本が差し伸べれば、韓国の甘えが断ち切れず、これまでのぐだぐだな関係が続いてしまう。

日本はあくまでも事実に基づく粘り強い反論を続け、韓国が自分で日韓関係を改善したいと考え、自分で解決案を考えるまで、気長に待つのが得策だと思う。

どうせ韓国と日本の地政学的な関係は変わらず、隣国同士であり続けるのである。今回明らかになっている様々な問題も、韓国の甘えと駄々コネに日本がアメを与える関係から脱却し、お互いが知恵を出し合える関係になるために、ぐずぐずと時間をかけたっていいと、素人的には思うのである。

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英EU離脱に関するよしなしごと。グローバリゼーションとナショナリズム [国際]

国民投票により、イギリスのEU離脱が現実化してから2年半。
英国内でも協定案が採決できていないことから、いろいろと悩ましい状況にあるに違いない。

背景には様々な事情が指摘されているが、例えば移民や難民への対応のように、
EUによる人・モノ・カネの緩和規制に対し、自分達イギリス人の利害が損なわれている
と感じた低所得者を中心とする人々がNOを表明した、というあたりが最大公約数なんだ
と思う。

縮めれば、グローバル化や自由経済への反対と、国家主権の復権と言えるだろうか。

確かに、EUから離脱をすれば、出入国や貿易などのルールについてEUの制限を受ける
ことなく、イギリス独自で決めることが出来る。おそらくそれは、EUのルールよりもイギリス
の国情を反映したより強い規制になるだろう。

ただ、一般的に、いわゆるグローバル化(ここでは、国境を越えたルールの共有化、くらいの
意味で使う)による貿易の方が国内の経済活性化につながるし、ルールがガラパゴス化した
不便な国からは資本が逃げることになりかねない。

したがって、EU離脱はイギリス経済のパイ全体を拡大にはならず、高額所得者は規制が
強化される前にイギリスを脱出し、もしくは資産を流出させるだろう。外国資本も慎重になら
ざるを得ない。

結果、イギリス国民全体が貧しくなる方向には向かうと思う。僕ですらイメージできるん
だから、イギリス人だってわかっているはずだ。

それでもなお、イギリスはEU離脱を選んだ。

イギリス人の愚かさを嘆くのは簡単である。もう少し掘り下げると、残留賛成派が残留の
メリットとコスト配分を広く説得できなかったこと、さらに根源にあるのは、経済合理性を
超えて、「自分達のことは自分達で決めたい」という、自律への渇望があったのだと思う。

前者について言えば、相対的に高所得者が多いとされる残留派がメリットを主張しても、
それを享受するのは高所得者だけではないかという懸念が払拭されずにいた気がする。

例えば、移民による治安悪化のリスクを負うのは低所得者であり、高所得者は自費で
セキュリティをまかなえば足りる。しかも多くの高所得者は、いざとなれば海外で働き
暮らすことだってできるだろう。

後者は、民主主義の使い方の難しさではないかと思う。

民主主義の基本の一つは、「自分達のことは自分達で決める」ということにある。
そこにあるのは、投票権を持つ「自分達」と投票権を持たない「他者」である。

しかし、EUという仕組みの中では、例えイギリス国内のことであっても、EUで決めたルール
が優先される。すなわち、自分達では無い他者によって物事が決められてしまうという違和感
は、どうしても拭えない。その思いをEUの制度内でうまく掬い取ることが出来なかったのだと
思う。

しかし一方、EU離脱は、イギリスにとって「自分達」のことかもしれないが、ステークホルダー
はイギリスを超えて拡散している。結局、利害関係のある「自分達」とそうでない「他者」を
分けるのが原則の民主主義を一つの国内でそのまま使うには、あまりにも問題は複雑だ。

その意味では、国民投票というやり方を選んだのはやや稚拙だったのかもしれない。

もし国民投票という手段を使うのであれば、イギリス国内に限定される再分配政策や、
移民・難民への費用の分担に関する意思決定について、使うべきだったのではないだろうか。

経済全体のパイを増やすこと、所得分配やリスクの負担を公正にすること、境界を越えた問題に
対する一国内の民主主義の限界など、イギリスのEU離脱はいろいろなことを考えさせてくれる。

グローバリゼーションとナショナリズム、どの程度、どのように折り合いをつけるべきか。

答えは風の中。

【参考記事】
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181211-00050002-yom-int
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